贈り物-2


今回は、妹の誕生日プレゼント。
たまたま材料買い出しに行った時に、近くに天然石コーナーが。
そういえば、妹が最近パワーストーンがどうのこうの…と凝っていて、
身に着けたり
していることを思い出しました。
そしてもうひとつ、そういえば誕生日近いということも思い出した…
というわけで、その場で妹の誕生日のパワーストーンをググる。
スマホって便利……
探してみると運よくその石が見つかったので、購入してピアス作りました。

このまま「はいよ」って渡すのも味気ないので…

これに入れてみました。ペンケースの試作品。

そして更に、試作品のお道具箱に入れる。マトリョーシカ状態。

結果的にこのセットがプレゼントになりました。
試作品だらけで申し訳ないのですが(笑)本人喜んでくれたのでOK☆彡

お道具箱は妹の好きなピーターラビット柄。
受け取って、早速ふたを開けてみて「あれ中にまだ入ってる」
そしてそれを開けてみて「また中に入ってる」…と笑ってました。
パワーストーンに守って貰って下さい!

 

 

 

贈り物

少し時間がかかりましたが、10月頃から合間をぬって制作していたものが完成
したので、
先日クリスマスプレゼントとして母に渡しました。
作品社・日本の名随筆シリーズ『俳句』(金子兜太編)の改装本です。
※Galleryページに数カット掲載していますので、よろしければご覧ください。

手製本は、くるみ製本であっても、凝ろうと思えば幾らでも工程があります。
また、一工程が終わった後に、すぐには次の作業に入れないこともしばしば。
綺麗に仕上げるには、焦らず時間を置くことが必要な場面も多いのです。
だから色々な要素を盛ろうとすると、かなりの期間かかることもありますが、
「今日はここだけ」という風に合間に出来ることも多いので、
少しずつでも
作業を進めて行けば、いつかは出来上がります。

私はあまり器用ではないのだな、ということを毎回しみじみ実感しながら、
ああでもないこうでもない、実験→実行→やり直し→実験…を繰り返す。
この紆余曲折・寄り道・回り道・戻り道…のプロセスは自虐的楽しみ(笑)
時間はかかりますが、ひとつずつ出来ることが増えるのは嬉しいものです。
自分の制作では、実験的なことをモリモリにして苦しみながら楽しみます。


まもなく終わりを迎える2017年は、手製本レッスンの回数がぐんと増えた
年でした。
自分で作る時は失敗したらやり直せば良いし、「作りながら考える方式」が
当たり前なのですが、レッスンの時は
そうは行きません。
作るのは生徒さんなので、どう伝えたらわかりやすいのか、いつも悩みます。

「時間内に完成出来るようにするには」ということも大事な課題。
だから大抵の場合、レッスン用はサンプルを3回くらい作ります。
試行錯誤はサンプル段階である程度解決させておくためです。

それでも、レッスンは生モノ。毎回ライブだから何が起こるかわかりません。
実際やってみたら見当違い…
なんてことはしょっちゅうなのですが。

…というわけで、サンプルがどんどん増えます(笑)
時々、人にプレゼントしたりすると喜んでは貰えるのですが、本当は贈り物は
「この人にはどんな本が似合うかしら」と
考えるところからスタートしたい…
イメージに合わせて、デザイン・構造・素材…などなどを考えることもまた、
実験モリモリと並んで手製本の一番の楽しみですから。

冒頭で紹介した本は、初めからプレゼントのつもりで本文探しからスタート。
だから手製本のおいしいところ全部盛りです。
母が想像以上に喜んでくれたのは、期待していなかったデザートでした。

普段着の花布を編む

最近は、教える側になることばかりでしたが、久しぶりに生徒になりました。
まるみず組のテクニカルレッスン。(カリキュラムコースとは別の、不定期な
単発レッスンが随時企画されているんです)
シンプルな花ギレ編みを教えて頂きました。
「初心者OK」のレッスンだったし、「あれ?やったことなかったっけ?」と
先生にも言われましたが、そうなんです、これはやったことありませんでした。
いわば「よそいき・おめかし」のパッセカルトンじゃなくて、「普段着」の
製本に使えるので、本格的な手編みの花ギレながら、活用頻度が高いタイプ。
こういうもののバリエーション、欲しいですよね。

テキストを貰って、先生にレクチャーを受けて……
ふむふむ、なんとか出来そうです!やってみます!…と、糸を選んでスタート。
糸選びはたくさん色があるのでいつも迷うのですが、今回はハロウィンの

直前だったので、ハロウィンイメージにしてみました。(紫とオレンジ)
先生がそばにいてくれるのは安心感があります。
ちょっと進んだら見て頂いたり、これで良いのかな?と思うところを確認して
頂けるので。生徒、たのしい(^^♪

作業はこんな感じで進みます。

ヴォーグ学園の生徒さんが、まるみず組のサイトでこのレッスンの告知を
見つけて、「興味を持ったけど、1cm進むのに1時間って書いてあった」と
ビビッてましたが(笑)手製本の工程には時間のかかるものが沢山あるので、
1時間で形が見えてくるようなものなら、寧ろ早いくらい…かもです(笑)
私は初心者よりは少し慣れているので、そこまで時間かかりませんでしたが、
それでもレッスン中に本の形にまで仕上げることはできなかったので、
完成は自宅で…ということにしました。

そしてこんな感じに完成。

花ギレ部分

せっかくなので、花ギレに合わせて表紙もハロウィン仕様に。
タイトルは敢えて手描きの雰囲気を強調してみました。
手製本で季節感を味わうのも楽しい☆彡

このレッスン、確かもう一回あったはず…と思って見たら、明日(11/9)だ!
平日だし超直前ですけど、満席とは書いていないので、まだ受付中かな?
もし興味持たれた方いらしたら、是非どうぞ→詳しくはこちら

 

手染めの糸

文庫本の改装です。
もともとパッチワークのような柄行きの布を使っているのですが、夫婦箱は
本当にパッチワーク…本に使った布の一部と、無地を合わせました。
私は改装する時、割と天小口には細工をしがちなのですが、今回はそのままです。
かなり古い本だったので、三方の小口は相当焼けているのですが、表紙の色柄や
全体の雰囲気には寧ろ合っていたので。

本を作った後、夫婦箱の平まで作って、なんだか少し物足りない…
バランスをとるには、必ずしもごてごてつければ良いというものではなく、
引き算も大事とは思うものの、うーん……
そこで、ふと「あ!あれはどうかな」と思い出したのは、以前製本のお仲間に

頂いた手染めの糸です。染や織をやっている方で、自分で栽培したり採取した
自然の素材を使って染めた大事な糸を、わけてくれたのです。
もったいなくて、大事にとっておいたのを思い出しました。これです↓

さて、これを平に使ったらどうかしら?
本の表紙に入っているブルーに似た、藍染めの糸を選んでみました。

左が元の平(作業中なのでカッターマットの上)。右が糸を使った完成版。

写真ではちょっとわかりにくいのですが…縦に一本入った青い線がその糸です。
たった1本なのですが、綺麗な色と、手作業で作られた糸の節も良い感じです。
(タイトルはホットペンで手書きです)

「デザイン」というと、今はPCで割と完成度の高そうな感じのものが出来ますが、
手作業のものが少し加わると、「良い塩梅」になってくれるといつも感じます。
自然素材のものは尚更です。自然の作り出す色や形にはかなわない。

糸をわけて下さったAさん、ありがとう♫

箔押し

今日は、まるみず組企画で蔵前の箔押し所に行ってきました。
各自自分が箔押ししたいものを持参して、その場で押して貰える企画です。
私は昨年末に作ってタイトルがまだだった改装本を持参。
箔押しして頂いて、ようやく完成しました。
作品詳細はギャラリーに追加しました。→こちら

ほんの小さな文字でも、箔押しの金が入ると「本らしく」なります。
自分で押すのはとても難しいのですが、熟練の80代の職人さんに綺麗に
押して頂きました。ありがとうございます!

活字は、箔押し所でアンティークを探してコレクションしているものを使わせて
頂きました。国内で作られたものではなく、外国製です。
箔押しには、本来は硬質活字を使います。
100℃程度の熱を加えるので、軟質活字では溶けてしまうのです。
でも、現在、国内で硬質活字を入手することは極めて困難。ほぼ無理です。
製本の分野では、ほかにも様々なものが時代の変化に伴って消えつつあります。
私たちにとってなくてはならない牛骨のヘラなどの道具、糸などの資材…。

制作を続けるために必要な材料や道具を、手に入れるのすら難しいのです。
既に材料や道具を作っている職人さんがいなくて、代替えを探すことを余儀なく
されているものもたくさんあります。

それでも、職人さんの叡智と技を絶やさずに、続けてくれている会社があります。
大事に作られた道具や材料を、私たちも大事に使わせて頂かなくてはなりません。
手作業で物を作っていると、単に「モノ」のことだけでなく、周辺の色々なことを
考えるようになります。
製本のことだけでなく、他のものについても(例えば毎日口にする食べ物なども)
手間暇かけて作っている人や、その原料を私たちに与えてくれている自然の姿が
見えてくるのです。

感謝の気持ちを忘れてはいけないなと思います。

今日は、箔押し所近くの活字屋さんにも行きました。
こちらも、大ベテランの方が店主をされています。
活字のこと、活版印刷のこと、色々と教えて下さいます。

自分で箔押し…は今は難しいけれど、インクをつけて使ってみようと思い、幾つか
購入しました。
書体とサイズを選んで、棚にある膨大な活字の中から出して貰います。
帰り際、「またおいで」と優しく言ってくれました

箱をつくる

2月になりました。
バレンタインデーにそわそわするようなお年頃ではありませんが…
ちいさなサイズの夫婦箱にチョコレートを入れてみたら可愛い。

本を入れるためのケースには、夫婦箱のほかにスリップケースや秩などがあり、
アレンジによって種類は無限大。
いずれも中に入れる本のサイズをきっちりと測り、細かい部分に気を使いながら、
ぶかぶかにならず、きつきつにもならず、スーッ…ストン!と気持ちよく出し入れが
出来るように作るのは、とても難しい…
でも、ぴったりサイズに出来た時、やはりケース付の本には特別感が漂います。

箱を作るのは大好きです。
頂いたお菓子の中身を食べ終わってしまっても綺麗な箱が捨てられないとか、
細かいものを整理するために可愛らしい箱を用意すると宝物みたいに見えるとか、
単純に、箱にはそういうワクワク感があるから…というのもあります。
でも何といっても、難しいからこそ作るのが楽しい。
きちんと測ったつもりなのに、あれ?ほんの少し緩い…とか、さらにサイズはOKでも
完成までには数々の難関が待ち受けています。
それらをひとつひとつクリアして、最後に中身を入れてみた時…

スーッ…ストン!

となると、めちゃめちゃ嬉しい!!すべての疲れが吹っ飛びます!
箱に限らず、手製本はいつもそうなのですが。
その喜びが、また次に新しく作ろうというモチベーションに繋がります。

お金さえ出せば、たいていのものは何でも買えてしまう世の中ですが、この満足感は
手間暇かけて、考えて、苦労して手で作ることでしか得られないものかも…と思います。

 

 

麻の糸

HPを作るとき、最初の課題は「ドメインどうしよう?」でした
このサイトのドメインにある“chanvre”は、仏語で「麻」という意味です。

手製本では、しっかりと綴じるために、麻の糸を使います。
麻は繊維が太く長くて、天然繊維の中で最も強いのです。
何度も開けたり閉じたりする本は、その丈夫な糸でしっかりとかがってあげます。
糸綴じの本が長い年月の使用にも耐えられるのは、麻糸あってのこと。
だから手製本にはなくてはならないものです。

それに自然な光沢があって美しく、なんだか凛としたイメージで素敵に見えて、
手製本に馴染むにつれて私は麻の糸がどんどん大好きになりました。

そしてある日。
自分の名前の中に「麻」も「糸」も入っていることに気づいたのです!
私は勝手に運命的なものを感じて、もしいつか自分の屋号を持つようなことがあったら、
「麻」にまつわるものにしようと決めていました。

私たちの身の回りにある麻素材には、実はいろいろな種類があって、手製本で使う麻は
「苧麻(ちょま)」と言い、葦麻科で、英語や仏語ではramieと言います。
シャツ等に使われる麻は「亜麻(あま)」亜麻科で、英語ではflaxやlinen、仏語ではlin。
ほかにも、カジュアルなお洋服に使うヘンプ(桑科)、ジュート(田麻科)等々…
ひっくるめて麻と呼んでしまっていますが、実は植物の種類が少し違うのですね。

なので、本当は「手製本で使っている麻糸」を表すならramieなのですが…
他にも私自身が麻とのご縁を感じることがいろいろとあったりしたので、
ramieと限定せずにchanvreを使うことにしました。

手製本を始めて良かったことは沢山ありますが、「自分の名前が好きになったこと」も、
そのひとつかもしれません。